おっかなびっくり

 日が完全に登ってから起きた。部屋の空気がぬるい。夏の気配が日毎に近づいている。雨が降るという予報だったが、昼に通り雨が少しあった程度で終日晴れ。起きるのが遅かったのでやる気は出なかったが、午前中は自分の研究を進めた。偉い。そうやって毎日ちょっとずつでも進めるの、大事だと思います。

 

 明日から新しいバイトが始まる。少々緊張。同業種だけど、今回はラフな雰囲気があるので楽しみだ。何かを始める時は、どんな事でも怖くないふりをしてみる。内心はおっかなびっくりだ。ともかく、三ヶ月以上続けられる職場である事を願う。

 

 今まで、自分が避けてきた事をする機会が多い。大丈夫だよ、とやってみるのだが成果に結びつかないと落ち込む。そう、給付型奨学金に落ちたことを私はまだ気にしているのだ。今回は今回、悲観的に考えてもしょうがない。今すぐ状況を変えなくてはいけないほど悲惨な状況ではないが、やりたくないけどやった事が実を結ばないと、もう無茶なんかしたくない、わざわざ苦手な事をしたのにこんなん無駄じゃないかと、一人でウジウジ、クサクサとしてしまう。

 結果的に受からなかったが、孤軍奮闘はした。あと一回しか出せないんだし来年また出したらいいと大人の私は考えている。だが、子供の私はそうはいかない。どうせ受からないんだからこんなめんどくさい事やらなくていいんじゃない?と脳裏に囁いてくる。あまりにも悪魔である。

出せそうな申請はまだあるし、最悪出せなくてもいいから、書類をもらうだけもらってきたらいいと思うよ!と自分を励まして、近日中に学生部へ連れて行こうと決意した。

 

 本を読み、研究をして、授業を受け、本を読み、日記を書く。落ち着く。自分の意思で進められる。他人の評価で価値が変わったりしない。ただ、一人で楽しむだけだとやっぱり私は面白くない。誰かと見て、誰かから新しい発見をもらいたい。それなら、たまには人里に降りていこう。引きこもっては、誰に頼まれているわけでもないのに期間を決めて、あとは一人で描く。なんか出来る。荷物をまとめて、おっかなびっくり、転がるように駆け下りる。