ちくわ

 今日も弁当を作った。余白を埋めようとするが、野菜を入れるのが難しい。梅干しとプチトマトで間に合わせる。よく、母のお弁当にちくわが入っていた事を思い出す。私はよく文句を言っていたのだが、その後もしょっちゅう登場した。自分で作るようになると理由がよく分かる。中途半端な隙間に、ちょうど収まるサイズ感。タンパク質も取れて、レンジでチンすればそのまま入れられる。お弁当には最適。相変わらず、好きでも嫌いでもない味だけど、文句を言われようとちくわを入れ続けた母の気持ちはよく分かるようになった。

 生活の基準が定まってきた。ゴミ出しは頻繁に行かない。洗濯は週二回。洗い物は出来るだけ頻繁にする。多少の埃は目を瞑る。何かを溢したらすぐに拭き取る。食費を少なくするとかえって外食が増える。赤飯を食べると体調が良い。一つ一つを選んでいくと、自分は何が不快なのかがよく分かる。

 全てがうまくいくわけではないけれど、自分の居心地のいい過ごし方を出来ると、身体が軽い。