冷房の風が、規則的に、静かにふいていた。身体が重いので、漢方薬を飲む。アルコールを毎日飲まないのは、その場の酩酊よりも翌日の体調が気にかかる小心者だからだ。7時半に起きる。部屋から出る気が起きない。
午前中には書き物をしようと考えていたが、和訳をしていたら昼になってしまった。出来ることは限られているが、これでいいのかもしれない。並行して進めなければと思うあまり、全てに手をつけるが、何も大して進んでおらず終わってもいない気持ちに苛まれ続けることは、私には合っていない気がする。
突破口を掴むときは、関係のないものも読み漁り、調べ物をしながら気づいたことや疑問点を書き出した先に、締め切りに近づいたある日、机に座って一息に書き上げることが多い。推敲もしない。とにかく最後まで書き切る。そして、整理する。推敲はしないが、書きながら右往左往はするので、その時点で既にある程度の納得はしている。息が詰まった時には、決して、何かを捕まえようとしないこと。
集中を分散されると、むしろ精神が不安定になる。多少アンバランスでも、やはり波に乗りたいという欲望は叶えた方が気持ちがいい。